夢のマイホーム購入をお考えの方、多くいらっしゃると思います。
注文住宅、中古住宅、建売住宅、中古マンション等々、様々な選択肢がございますが、”建売住宅を購入してリフォームする”という考え方があるのをご存じですか?
新築を買って早々にリフォームをするのか!?と思うかもしれませんが、意外と多くの方が実践している方法です。
以下のような方に建売住宅(以下、建売)をリフォームするという選択肢が有効です。
・土地の条件は良いので更地で購入したいが、既に建売が建っており、建物に気に入らない部分がある
・予算や時間的に建売しか購入できないが、少しでいいから建物にコントロールも
・家は現物を見てから購入したいという主義なため、必然的に建売を購入する事となったが、気に入らない部分がある
・将来売却を考えているため、売りやすい建売を購入したが、自分が住んでいる間は好みの家にリフォームしておきたい
しかし「新築なのに買って早々リフォームして大丈夫なのか!?」「思ったようなリフォームが予算内で出来るのか?」という迷いから二の足を踏んでしまう人も少なくないようです。
そこで今回は建売リフォームとは一体どのような物なのか?を解説していきたいと思います。
実際の所それらの悩みに応える記事はネット上に既に多く存在し、メリット、デメリット、注意点などの必要な情報を収集することは比較的容易にできます。
そこで本コラムでは特に“決断までに時間がない!とりあえずアリかナシかだけ考えたい!”という方々に向けてサッと読んで全体を把握できる、そんな内容になっております。
目次
建売リフォームで悩むこと
建売っぽさをなくしたい!
いったい何が建売感を出しているのか?
- 複数の区画に住宅を建てて販売する、いわゆる”分譲タイプ”の場合、同じ見た目の建物が連続して建つことが多いです。それが故、個性が弱い印象を抱かせてしまいます。
- また単体の建物を見ても、万人受けしやすい建物にする必要があるため、クセのある柄や色の建材は使われない傾向があります。
では、どこをリフォームすれば一番建売っぽさが無くなるのでしょうか?
大きな面積を占める部分をリフォームすることが近道
具体的には外壁、壁、天井、床に手を加えることが最も効率よく印象を変える手立てとなります。
・外壁
外壁はほとんどの場合”吹き付け塗装” ”サイディング”の2種類のどちらかです。どちらも上塗りは可能なので思い切って全体の色を塗り替えてしまうのが効果的です。足場の設置を要するためご近隣のご了承が必要にはなりますが、費用は概ね100~150万円を見込みましょう。
・壁、天井
建売の場合ほとんどすべての壁、天井は白一色がです。そこで各お部屋の一面だけでもアクセントクロスに張り替えるのが効果的です。(費用:15万円~)
リビングに関してはアクセントクロスでなく、内装用のタイルなどにするのも高級感を演出できて◎です。(費用:15~20万円程度)
・床
床を張り替えるのは大規模工事となりますが、上張りという工法であれば比較的小規模にリフォームが可能です。
パナソニック”うすいーた” は既存のフローリングの上に張ることが可能です。厚さも1.5mmと薄いため建具やキッチンの引き出しに干渉することがありません。
リビングのみ施工するという方法もございます。(費用:30~50万円程度)
番外編
より建売っぽく見せない手段として、照明をよりおしゃれな物を取り付けるという方法もございます。リフォーム工事ではありませんが、安価な方法として有効です。リフォーム工事で間接照明を設置するというのも非常に効果的です。
人の目が集まる場所をリフォームするのもお勧め
・ポスト、表札などが集約された“機能ポール”(機能門柱とも言います)をオシャレな物に取り換える(費用:20万~)
・玄関廻の外壁にのみタイルや石等を上張りしアクセントをつける(費用:40万円~)
などの方法があります
建売リフォームで悩むこと
間取りが良くない!
特に注意が必要なのが建物の工法です、木造住宅は主に”在来工法”と”ツーバイフォー工法”の二種類の工法が存在します。
” 在来工法” の場合は制限はありますが間取りの変更に対応できます。対して” ツーバイフォー工法”は一つ一つの壁が構造上重要なため間取りの変更はほとんどできません。
幸いにも在来工法だった場合でも、上記の通り好き勝手に壁をなくせるわけではありません。建物の強度を確保するため残さなければいけない柱や壁が存在します。どこが残せてどこが取り去れるのか?これにはプロの見解が必要となりますので、検討の段階からリフォーム業者などに検証を依頼しましょう。
設備が安っぽい!
既設の水回り設備に手を加えて高級感を出すことは難しいです。キッチンは木目調のシートを上張りするなどDIYでカバーできる部分もありますが、基本的には交換という選択肢になります。交換は大体の場合可能です。
システムバスの交換費用: 80万~
システムキッチンの交換費用: 90万~
洗面化粧台の交換費用: 15万~
トイレの交換費用: 15万~
収納が足りない
新たな収納を追加することは比較的簡単です。上記「間取りが良くない!」に記載の通り、間取り変更で壁を取り去ることは制限がありますが、壁や扉を付け足すのであればそこまで多くの制限はありません。
クローゼット(1間幅)の設置費用: 15万~
屋根の形状によっては屋根裏収納を新たに造作することも可能です。(費用:100万~)
断熱性が良くない!
断熱性の改善ではサッシに内窓を追加するという選択肢があります。非破壊工事なので工期も2日程度と短いです。(費用:150万程度)
その他壁の中の断熱材の交換は現実的ではありません。不可能ではないのですが数百万という費用になり、注文住宅を建てるのと同じくらいの費用になってしまいます。
予算の話し
予算内に収まるか?
建売住宅にも低価格帯の物から高級志向な物まで様々なタイプが存在します。
低価格帯ほどリフォームしたい箇所が多くなりがちになるため、結果トータルコストは下がらない場合もあるため注意が必要です。
変わって高級志向な場合はほんの少しのリフォームで済ませなければ注文住宅より簡単に金額が上回ってしまうことも念頭に置かなければいけません。
建売販売価格の1~2割の額でリフォームすることがお勧め
私個人の見解ですが、もし仮に購入しようとしている建売住宅と全く同じ間取り、同じ仕様の注文住宅を建てるとすると、なぜか建売より高くなります。それは建築会社との打合せ費用が上乗せされることや設定されている建築会社の利益率の違いなどが要因となります。少なく見ても1~2割前後は建売の方が安くなるでしょう。
つまりは建売の販売価格の1~2割の金額でリフォームが出来れば注文住宅で同じものを建てるよりお得にできた!と解釈しても良いのではと思っています。(あくまで個人の見解です!)
最も大事なデメリット!
建物の保証から外れる可能性
新築の建売住宅は大体の場合、建築会社のアフターサービスと保証、及び瑕疵保険の2本立ての保証が付保されています。しかしリフォーム工事を行うことでそれらの保証が無くなってしまう可能性がございます。リフォームの規模によって、また建築会社の規則によってどのような取扱いになるか、入念に確認する必要がございます。
環境保護の観点では劣性の選択肢となる
リフォームの内容によっては、まだ使用していない新品の設備を解体撤去する必要が出てまいります。環境保護、資源保全が叫ばれる昨今において真逆の行為となる旨は、心に留めておく必要があると思います。
(リフォーム屋という立場ではありますが、あえてそう言った点にも言及するべきかと思い記載させて頂きました。)
まとめ
今回は建売リフォームとはどんな物かをザックリとまとめてみました。良い面、悪い面ご理解頂き、上手な建物購入とリフォームの参考になりましたら幸いです。
新築の建物のリフォームですので、中古物件に比べて予想外の変更等も起こりづらいこともメリットです。予算、工期などのコントロールもしやすいですが、かと言って見切り発車での建物購入は結果的な予算オーバー等などを引き起こすこともあるので注意が必要です。是非とも専門家の意見も取り入れ、しっかりとした吟味をお勧め致します!